チラシの裏(仮)

主にカメラ関係の備忘録的ブログです。

Really Right Stuffの自由雲台BH-40 ProII(スクリューノブタイプ)の運用開始とクランプ換装

 

 前回の記事でRRSの自由雲台BH-40 ProII(スクリューノブタイプ)を購入したことを書きました。 

m42.hatenablog.com

 KIRKのL型プレートとの組み合わせに関しては問題はないのですが、自由雲台BH-40のスクリューノブタイプのクランプの場合、カメラを雲台に取り付けたり、取り外したりするのにスクリューノブを何回転もしなければならず、結構な手間がかかってしまいます。実際に撮影でRRSの自由雲台BH-40 ProIIを使ってみましたが、クランプを固定するときやカメラを雲台から外すときにストレスを感じました。自由雲台BH-40 ProIIのクランプを使いやすいクランプに換装することを検討してみます。

 

 

  • RRSの自由雲台BH-40 ProII

 RRSの自由雲台BH-40 ProIIを振り返ってみます。私が購入したのはクランプタイプがスクリューノブ、クランプサイズはフルサイズのものです。

 

f:id:M42:20180607111123j:plain

RRSの自由雲台BH-40 ProII

 フリクションコントロールはマーキンスの自由雲台Q3iTR-BKと異なり専用のノブが用意されています。

 パンニングノブは、1回転回すとパンニングできるようになります。うっかりパンニングノブを少し触ってしまった場合に雲台が回転してしまうことがなく、パンニングノブをきっちり締め込まなくても雲台が回転してしまうことがないので、使い勝手がいいと思います。ちなみに、マーキンスの自由雲台Q3iTR-BKはパンニングノブを少し回すとパンニングできるようになり、きっちり締め込まないと雲台が回転してしまいます。両者で動きの違いがありますが、このあたりは好みもあるでしょうか。

 また、RRSの自由雲台BH-40はパンニングノブとフリクションコントロールノブの形状が違うので、暗いところでの撮影でもわかりやすいと思います。

 パンニング用の角度表示もマーキンスの自由雲台Q3iTR-BKと比べると目盛りも細かく、角度を示す数値表記も多くなっています。RRSでは目盛りが2.5度単位、数値表記が15度毎、マーキンスでは目盛りが10度単位、数値表記が90度毎になっています。マーキンスの自由雲台Q3iTR-BKのパンニング用マークは1か所ですが、RRSの自由雲台BH-40のパンニング用マークは12時方向、3時方向、9時方向と3か所あります。パノラマ撮影の際に細かく角度調整をする場合は、RRSの自由雲台の方が圧倒的にやりやすいと思います。

 

f:id:M42:20180607114323j:plain

パンニング用マークと角度表示(左側面)

f:id:M42:20180607115150j:plain

パンニング用マークと角度表示(右側面)

 

  •  使いやすいクランプの検討

 三脚での撮影をするときに、手持ちでファインダーを見て構図を決めた後に、その構図に合うように三脚をセッティングしてカメラを雲台に取り付けてから撮影を行っています。別の場所に移動して構図を決めるときに、一旦カメラを三脚から取り外して再度手持ちでファインダーを見て構図を決めることも多いので、雲台への取り付けに手間がかかってしまうと撮影のテンポが悪くなってしまいます。かといってカメラをずっと三脚につけたまま構図を決めるようにすると、三脚での操作がやり易い範囲での構図決めになってしまいがちなので、横着をしないように心掛けています。

 KIRKのクランプが評判がいいようなので調べてみました。KIRKの2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(型番QRC-2.6CS)というクランプがRRSのBH-40で使えそうです。

 

f:id:M42:20180605213826p:plain

2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(KIRK)

※画像はKIRKサイトより引用

 

www.kirkphoto.com

 これは自由雲台のクランプを外した状態でボール部の形状が下の画像のようになっている自由雲台に適合するクランプです。アルカスイスのZ-1やRRSのBH-55に装着することを前提に設計されているようです。クランプを全閉から全開にするのに、スクリューノブの回転が180度で済むので使い勝手は良さそうです。

 

f:id:M42:20180605213607p:plain

※画像はKIRKサイトより引用

 雲台のボールのステムの突起部分に嵌合するように、クランプの裏側は溝になっています。

 

f:id:M42:20180605214341p:plain

2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(KIRK)の裏面

 ※画像はKIRKサイトより引用

 

  • BH-40 ProIIのクランプ換装

 KIRKのクランプ 2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Holeを購入しましたので、BH-40 ProIIのクランプと換装してみます。クランプ固定用の六角レンチがクランプに格納できるようになっています。

 クランプ本体の他に六角レンチ(5/32インチ)、1/4-20インチネジ、6mmネジ、ネジゆるみ止め接着剤が同梱されています。KIRKサイトの画像ではネジが3本ありましたが、同梱されているのは2本です。 

f:id:M42:20180609124011j:plain

2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(KIRK)

 下の画像の左側2本のネジが同梱されているもので、6mmネジ、1/4-20インチネジです。右側のネジはRRSの自由雲台BH-40のクランプに取り付けられていた1/4-20インチネジです。同梱品のネジは長かったので、もともとBH-40のクランプに取り付けられていたネジを使います。

f:id:M42:20180609130509j:plain

同梱ネジ(左2本)、RRS 自由雲台BH-40のネジ(右)

 付属の六角レンチを含むKIRKのクランプの重さは124gでした。六角レンチなしでは115gでした。

f:id:M42:20180609131402j:plain

KIRKのクランプ(六角レンチ含む)の重さ

 RRSのクランプ(フルサイズ)の重さは113gでした。クランプの重さはKIRK、RRSでほぼ同じでした。

f:id:M42:20180609132033j:plain

RRSのクランプ(フルサイズ)の重さ

 

 KIRKのクランプ2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Holeは、RRSの自由雲台BH-40に問題なく取り付けることができます。

f:id:M42:20180609131740j:plain

RRSの自由雲台BH-40にKIRKのクランプを取り付け

 

 スクリューノブやクランプの色や質感は、RRSの自由雲台BH-40のものと似ていて、換装したのがわからないくらいマッチしています。

f:id:M42:20180611100250j:plain

RRSの自由雲台BH-40にKIRKのクランプを取り付け

 

 クランプ換装後の雲台の重さは465gでした。

f:id:M42:20180611101732j:plain

RRSの自由雲台BH-40にKIRKのクランプを取り付けた場合の重さ

 

  • 各社クランプの比較(RRS、マーキンス、KIRK)

 クランプ全閉から全開までのスクリューノブの回転数、クランプ全閉からL型プレートを取り付けたPENTAX K-1が取り付け可能な幅に開くまでのスクリューノブの回転数をRRS、マーキンス、KIRKのクランプで比較しておきます。

 RRSはBH-40 ProIIのクランプ、マーキンスはQ3iTR-BKのクランプ、KIRKはクランプ 2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(型番QRC-2.6CS)を使用します。なお、マーキンスのクランプではマーキンスのL型プレートPP-K1+LP-K1を、RRSとKIRKのクランプではKIRKのL型プレートBL-K1Nを使用して、L型プレートを取り付けたPENTAX K-1が取り付け可能な幅に開くまでのスクリューノブの回転数を調べています。

  

f:id:M42:20180607094647j:plain

クランプ全閉の状態

f:id:M42:20180607094606j:plain

クランプ全開の状態

 

【スクリューノブ回転数】

クランプ 全閉から全開まで 全閉からカメラ取り付け可能まで
RRS 5+1/6回転 4回転
マーキンス 2回転 1回転
KIRK 1+5/6回転 1回転

 

【スクリューノブ回転数】

クランプ カメラ取り付け状態からカメラ取り外し可能まで
RRS 2回転
マーキンス 1/2回転
KIRK 1/2回転

 

  操作性を比較してみます。KIRKのクランプは少ないスクリューノブの回転で操作が可能です。マーキンスもKIRKとほぼ同じでなかなかいいですが、RRSは残念であると言わざるを得ません。今までマーキンスの雲台で特に不自由を感じなかったのはこのためかもしれません。

  前回の記事で触れた落下防止ネジが入るスペースのクランプのくぼみの深さも測ってみました。

 

f:id:M42:20180606121252j:plain

クランプのくぼみの深さ

【クランプのくぼみの深さ】

クランプ クランプのくぼみの深さ
RRS 1.67mm
マーキンス 約1mm
KIRK 約2mm

 

 L型プレートからの落下防止ネジの突起部分の長さは1.5mmでしたが、くぼみの深さは、RRSよりKIRKのほうが深く約2mmとなっています。MPA-2NというKIRKの一脚用雲台を持っているのですが、これのクランプのくぼみの深さも約2mmでしたので、現行の製品のクランプ形状に関しては同様の設計になっているのかもしれません。

 クランプの横幅のサイズも比較しておきます。購入したRRSの自由雲台BH-40 ProIIのクランプのサイズはフルサイズです。別にコンパクトサイズもラインナップされています。KIRKは横幅が大きめなのが唯一残念な点です。なお、奥行きはRRSよりKIRKのほうが短いです。

 

【クランプの横幅のサイズ】

クランプ クランプの横幅のサイズ
RRS 約60mm
マーキンス 約48.5mm
KIRK 約68.5mm

 

f:id:M42:20180609132912j:plain

RRSのクランプ(上)、KIRKのクランプ(下)

 

  • まとめ

 KIRKのスクリューノブタイプのクランプに換装にすることで、RRSの自由雲台BH-40はとても操作が快適になりました。前回での記事で触れたようにレバータイプのデメリットを考慮して、スクリューノブタイプのクランプを選んでいます。

 RRSのスクリューノブタイプのクランプは操作性がいまいちだったので、RRSのBH-40やBH-55などでスクリューノブタイプの自由雲台を検討されている方は、クランプなしのタイプを選んで、別途KIRKのクランプ2.6 in Quick Release Clamp with Countersunk Hole(型番QRC-2.6CS)を購入することをお勧めします。ただ、このクランプは横幅のサイズが約68.5mmと少し大きめになってしまいます。理想を言えば、KIRKでこれより横幅がコンパクトで同様の商品があればよかったのですが、現状では無いので仕方ありません。

 今まで使っていたマーキンスの自由雲台とL型プレートは携帯性を重視するシーンで使い分けをしていこうかと思います。