チラシの裏(仮)

主にカメラ関係の備忘録的ブログです。

Wine Country Cameraの100mmフィルターホルダーのレビュー

Wine Country Cameraの100mmフィルターホルダーキットが届きました。

Nisiのフィルターホルダー、NisiとKaniの角形フィルターを使用してるので、これらと比較しながらレビューをしたいと思います。

 

  

 

  • 購入した商品

 Wine Country Cameraから100mmフィルターホルダーキットとアダプターリング、ボルトを購入しました。アダプターリングは82mmをフィルターホルダーキットで、追加で77mmのものを購入しました。また、角形NDフィルターの枠であるボルトのセット(100x100mm用2個、100x150mm用2個)も併せて購入しました。

 

100mmフィルターホルダーキット・・・449ドル

アダプターリング(77mm)・・・50ドル

ボルト(100x100mm用2個、100x150mm用2個)・・・100ドル

送料・・・30ドル

合計629ドルですが、15%OFFクーポンコードが利用できたので若干安くなりました。

日本での輸送はヤマト運輸でしたが、受取時にさらに消費税3100円が掛かりました。

クーポンコードはYoutube動画で見つけました。

 

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アダプターリング

 

 フィルターホルダーキットです。キットの内容は任意のアダプターリングが1個、フィルターホルダー、専用の円形CPLフィルター、ボルト(100x100mm用1個、100x150mm用1個)、フィルターケース、フィルターホルダーポーチです。 

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フィルターホルダーキット

 

キットについてくるアダプターリングは箱に書かれているように49mm~86mmのうち1つを選びます。CPLフィルターは同梱無しのキットもあります。

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箱側面

 

箱を開けていきましょう。
まず、簡単な注意書きのようなものがありました。これ以外にイラストで説明された取り扱い説明書のようなものはありません。詳しくはサイトなり動画なりを見ろということでしょうか。

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ボルトを嵌めた角形フィルターを収納できるフィルターケースです。このケースにはキットに含まれるボルトと追加で購入したボルトが入っていました。

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フィルターケース

角形フィルターは「ボルト」と呼ばれる枠のようなものにセットして使用します。

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100x100mm角形フィルター用ボルト(左)、100x150mm角形フィルター用ボルト(右)


 フィルターホルダー用のポーチです。

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フィルターホルダーポーチを開けると、フィルターホルダーに専用のCPLフィルターがセットされた状態で入っていました。 

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フィルターホルダーです。

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専用の円形CPLフィルターです。

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専用の円形CPLフィルター

 

以上がキット内容、および追加で購入したものです。

 

 続いて各パーツを細かく見ていきます。

 

  • フィルターホルダー

フィルターホルダーの側面のスロット部分を固定するパーツと背面のCPLフィルターを回転させるためのダイヤルが木製となっており、特徴的なデザインになっています。

フィルターホルダー前面には、100x100mm角形フィルター用ボルトのスロットが1つ、100x150mm角形フィルター用ボルトのスロットが2つあります。100x150mmボルト用のスロットでは、ホルダー右側にある赤いボタンでテンション調整を行います。「ワイン」の絵がプリントされているボタンは飾りで特別な機能はありません。下の赤いボタンでレンズに近いスロットでのテンション調整を、上の赤いボタンでレンズから遠いスロットでのテンション調整を行います。ボタンを押している間はテンションがフリーになり、ボタンを離すとテンションが掛かるようになりボルトが固定されます。

 

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 スロットは合計3つあります。

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 フィルターホルダー背面には、左側上部にアダプターリングとホルダーを固定するためのネジ、左側下部にCPLフィルターを回転させるためのダイヤル、下部両端にはCPLフィルターを固定するためのレバーが2つあります。

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  • CPLフィルター

CPLフィルターは専用の円形CPLフィルターとなっています。

フィルター部は直径約92mmです。Nisi V5のCPLフィルターが直径86mmですので比べると大きめに作られています。

CPLフィルターの外周には歯車が付いており、フィルターホルダーにある歯車に嵌めて使うようになっています。Nisi V5のCPLフィルターはアダプターリングにCPLフィルターを取り付けるネジ山が切ってあり、このネジ山にCPLフィルターを取り付けます。CPLフィルターの取り付けは、WCCのほうが楽です。

CPLフィルターのみを使おうとする場合、Nisi V5ではCPLフィルターを取り付けたアダプターリングのみでの使用ができますが、WCCではCPLフィルターを使おうとするとCPLフィルターはホルダー部分に装着するので、ホルダー部分まで取り付けなければなりません。

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  • ボルト

 「ボルト」は角形フィルターを入れる枠のようなものです。素材はガラスエポキシのようです。上部には角形フィルターを固定するための「コイン」と呼ばれる部分があります。

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100x100mm角形フィルター用ボルト(左)、100x150mm角形フィルター用ボルト(右)

 

赤丸の部分が水平方向に出っ張っており、ボルトに掛かるテンションを緩めたままボルトを放してしまっても落下しないようになっています。

下に示したのは100x100mm角形フィルター用ボルトですが、100x150mm角形フィルター用ボルトも同様です。

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  • アダプターリング

アダプターリングはカメラのレンズとフィルターホルダーを接続するために使用します。アダプターリングにはネジ山が切っている部分があり、この部分をレンズに取り付けます。アダプターリングの外周の縁にフィルターホルダーについているネジを使ってアダプターリングとフィルターホルダーを固定します。

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以下の項目では各パーツのセット方法を見ていきます。

 

  • CPLフィルターのセット方法

 CPLフィルター固定レバーを開きCPLフィルターをフィルターホルダーに嵌めます。CPLフィルター固定レバーを閉めた部分にはフィルターホルダーにマグネットが付いており、開かないようになっています。

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CPLフィルター固定レバーを閉めたは下のようになります。下に矢印で示したフィルターホルダーの部分と、

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 下の矢印で示したアダプターリングの外周部分が嵌合するので、アダプターリングを嵌めていればCPLフィルター固定レバーが開いてしまうことはないようです。

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  • ボルトのセット方法

ボルトは、枠の下部のみ出っ張りがあり、傾けても角形フィルターが引っ掛かり外れないようになっています。

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ボルト下部

 

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コインの直線部分を下にし、角形フィルターをボルト下部に突き当てます。

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コインを回転させ、

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コインの直線部分が上になるように回転し、角形フィルターを固定します。

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NisiのNDフィルターはガスケットによる厚みが邪魔になり、このままの状態だとボルトに入れることができません。ガスケットが付いている場合は剥がしてしまう必要があります。NisiのNDフィルターのガスケットは、少し糊跡が残りましたが、簡単に剥がれました。

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Nisiの角形NDフィルター

 

【メーカーによる角形NDフィルターの違い】

Nisiの角形フィルターには、下のようにガスケット(スポンジのようなもの)が貼り付けられています。Kaniの角形フィルターにはこのようなガスケットは貼り付けられていません。

このガスケットは長時間露光の時に問題となる角形フィルターとフィルターホルダーの隙間で生じる光のもれを防止するためのものです。Kaniはフィルターホルダーの方にガスケットが付いているようで、Kaniの角形NDフィルターにはガスケットは貼り付けられていません。

光のもれをNisiは角形NDフィルターで防止、Kaniはフィルターホルダーで防止するという考え方の違いがあります。

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Nisiの角形NDフィルター

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Kaniの角形NDフィルター

 

  • フィルターホルダのセット方法

100x100mm角形フィルター用ボルトをセットした状態です。

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 100x100mm角形フィルター用ボルトと100x150mm角形フィルター用ボルトをセットした状態です。

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100x100mm角形フィルター用ボルトと100x150mm角形フィルター用ボルトを2個セットした状態です。

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  • ホルダーのセット方法

アダプターリングを取り付けたカメラのレンズに、ホルダーのネジを回してホルダー部分を取り付けます。

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  • WCCホルダーシステムの利点

WCCホルダーシステムの利点はいくつかあると思います。

 【利点1】指紋が付きにくくなる

通常は角形フィルターを持ってフィルターホルダーにセットしますが、直接角形フィルターを触ることがないので指紋が付きにくくなります。

 

 【利点2】ハーフNDフィルターの位置調整がやりやすい

NisiやKaniなどのフィルターホルダーでは、角形フィルターが落下してしまわないようにホルダーとフィルターの接点でのテンションがある程度きつくなっています。このため、撮影時のハーフNDフィルターの位置調整はある程度の力が必要になります。WCCのホルダーでは、このテンションの調整がボタンで簡単にできるので、ハーフNDフィルターの位置調整がスムーズにできます。また、ボルトに「出っ張り」があるのでテンションを緩めてもフィルターが落下してしまうことはありません。

 

 【利点3】フォーカスポイントや撮影条件の変更が容易

高濃度NDフィルターを使用した撮影でフィルターを付けたままピント状態が確認できない場合、フォーカスポイントを変更しようとすると、NisiやKaniなどのフィルターホルダーでは、高濃度NDフィルターをホルダーから取り外すか、高濃度NDフィルターやハーフNDフィルターが取り付けられたホルダーごと取り外さなければなりません。WCCのホルダーでは、一番内側のスロットでNDフィルターを使う場合、このスロットではボルトに対してテンションはかかっていないので、NDフィルターの脱着が容易なります。このため、撮影条件の変更に掛かる時間が節約できます。

 

 【利点4】余計な光を遮光

NisiやKaniなどのフィルターホルダーでは、角形フィルターをいわば裸のままセットするので、角形フィルターの「へり」からわずかではあると思いますが光が入ってきます。 WCCのホルダーシステムでは、ボルトを使うことで「へり」から入ってくる余計な光が減ります。

 

  • WCCホルダーシステムの懸念点

欠点というほどのものではないですが、懸念されることを書きます。

【 懸念点】ホルダーの固定方法

ホルダーとアダプターリングの固定がネジのみなので、しっかり取り付けられていないとホルダーごと落下してしまう可能性があります。Nisi V5では下に示すようにホルダー部分に爪が付いていてアダプターリングに引っ掛けて使うのでホルダー部分が外れてしまう心配はあまりありません。この点はNisi V5のほうが安心感があります。 

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Nisi V5のホルダー部分

また、これに関連することになります。

Nisi V5はアダプターリングにホルダー部分を爪で引っかけて、ホルダー部分がフリーに回転できるようになっています。このため縦位置、横位置の変更やちょっとした角度の変更ではホルダー部分を回転させれば済みます。一方WCCのホルダーでは、アダプターリングにホルダー部分をネジを回して固定するようにしているので、V5のようにホルダー部分をフリーに回転させることができません。アダプターリングに対してホルダー部分を回転させようとするとホルダー部分が落ちないようにしてネジを緩めてホルダー部分を持って回転させた後、ネジを回してホルダー部分をしっかりと固定しなければなりません。

 

  • まとめ

WCCのホルダーシステムは使い勝手がよさそうで概ね満足していますが、値段が高いのがネックです。Nisi V5と比べるとサイズも大きくなり、重くなります。特長である「ボルト」のシステムを評価できるかがポイントになりそうです。

また、ホルダー部分の固定方法がネジで行うという構造になっているので、ホルダー部分の取り付けや縦位置や横位置などの角度変更の際には、ホルダー部分が落下してしまわないように十分な注意が必要です。

ホルダー部分の落下防止策が必要かどうかは、運用しながら決めていきたいと思います。